M&Sに鹿肉のハンバーグというのを置いていたから試しに買った(手を加えていない鹿肉は売っていないらしい)。カレッジの夕食でたまに食した鹿肉には色々味付けがしてあったので、鹿肉自体の味を知りたいと思ったのに、焼いて食べてみるとそのハンバーグもハナから塩こしょうが強かった。ちゃんと肉屋に行かなくてはね。
でも、予想通りの上品なお味でございました。

義父母と月曜日まで1週間ドイツ旅行。婿をやってました。それにしても、ドイツ語圏は楽だ・・・。なんというか、旅行中、何をしても「だまされる」感じがしないし、言葉もほんの少しは分かるし、大都市にいても、なんだか心が落ち着く。と言うわけで、ライン川下りをしたり、古城ホテルに泊まったり、高速列車に4時間乗ったり、んでベルリンフィルを聴いたり。大変楽しゅうございました。

生来の不真面目に極度の遅読ではあるものの、高校や大学の学部生をしていた頃は夏休みになると、(専門分野以外の)「読書目標」を掲げて少しは本を読んでいたものであるが、大学院生になって以来、というかここ数年は特にからっきしダメである。
(恥ずかしくて同業者には言えないが)そもそも専門分野の本さえ買わない、読まない。元々図書館の本を借りて読むのが嫌い(時々他人のキタネー手垢が付いているから)であって、イギリスは本が異様に高価なので買う気がしない。
日本で院生をやっていたときなど、僕の本や論文のコピー技術は相当なものであったと自負しているが(ジャーナルや出版社によって縮小率を覚え、その他の小細工を使ってピッタリ、黒いスペースを残さずやるのである)、それも全く衰えてしまった。というか面倒臭い。
もちろん、ウェブで論文を読んだりはするのだが、それさえ「最初から最後まで読む」なんちゅうことは殆どしなくなってしまった。殆どは「要約」と初めの数ページ、最後の1ページを読むくらいで分かった気になってしまう。
こうなると、もう退化しているとしか思えない。大体、嫁の研究(嫁に「関する」研究ではない)の関係で置いてある人類学や思想の本とかも、難しすぎて手が出ないのである。20代前半までだったら、入門レベルの本なら読めたハズなんだが、今はダメである。
ブログなんかもそうで、大学関係者の面白そうなやつを見つけると読もうとしたりするんだが、漢字が多いのに出くわすと「もっと簡単に書けよ!」と思ってしまう。しかし、簡単に書けというのは負け犬の遠吠えであって、要するに難しくて理解できないだけである。特に友人つながりでたどり着くことの多い人類学とか、文学の関係者が書いたブログは難しい。一般向けに書かれていても、つらい。
うーん、このままこの業界に居続けて良いのだろうか・・・。

8月10日と言えば、ちょうどテロの計画摘発があった日で、イギリスから、特にこの街から近いヒースロー空港から飛び立つヨーロッパ便は殆どがキャンセルになったのでした。ところが幸運にも我々のチケットはロンドンの国際空港で一番小さいロンドンシティ空港から。荷物の制限以外はほぼ予定通りに、スムーズに行って帰って来られたのでした。

ヒースロー空港まではバスで一本なのだけど、シティ空港には電車と地下鉄を乗り継ぐ必要があって、やたら不便。数ヶ月前、不注意で安いチケットを買ったらたまたまシティ空港発着だったので「やべえ、ミスった!」と思ったのだけど、今回に限ってたまたま奏功。去年と同じくヒースロー空港発のフライトだったらスイスに行くことも帰ることもできなかった・・・。

歩かない山登りは楽だ

お盆休み(?)ということで、10日から13日まで、去年と同じくスイスはルツェルンの湖畔で遊ぶ。ルツェルン音楽祭で、11日にクラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団マーラー第6番を聴き、12日に登山鉄道で山登り。
コンサートの方は、去年のマラ7同様素晴らしい演奏。去年に比べてオケの中に入っている有名人は少なかったけど、やっぱり気合の入っているオーケストラは良い音を出すなあ・・・。アバドの解釈は最近出たCDと変わらないけど、生で聴くとあの緩急の付け方の絶妙さがよりよく分かる。恐らく長く記憶に残るであろう演奏でした。
あいにく滞在中の天候に恵まれず、翌日の船+登山鉄道+ロープウェー+ゴンドラ、という楽ちん小旅行(?)は景色の方がイマイチで残念。まあ、もう一度行く機会があったら、ちゃんと準備してハイキングしたいなあ・・・。

前から思ってるんだが、イギリス人とかアメリカ人って、肉の「脂身」のおいしさを知らない人が多いんじゃなかろか。脂肪→太る→取り除く、という発想で(特にミドルクラス以上の人々は)育っているから、脂身が「コク」を出すなんて知らない人が多そうである。もっというと、こういう動物性(?)の「コク」自体を感知できるように舌が発達していないんじゃなかろか。別に脂身を直接食べろ、って言ってるんでは勿論なくて、調理の中で使った方がおいしいのに、なんでハナから取り除いてしまうんだろ、と思うんである。
食材はM&Sというちょっと高めのスーパーで買うことが多いんだが、特に豚肉なんぞはセインズベリーという安めのスーパーにいって、脂身の多いのを買うわけである。
しかし、イギリス人にしろアメリカ人にしろ、これだけ肉の脂身を取り除くことに熱心である割には、彼らの肥満率は(比較的脂身を食べる)大陸ヨーロッパの人々に比べて高いみたいである。
まあ、脂肪も太るのも同じ fat だから、まずもってイメージが悪いよね。不幸よの。