生来の不真面目に極度の遅読ではあるものの、高校や大学の学部生をしていた頃は夏休みになると、(専門分野以外の)「読書目標」を掲げて少しは本を読んでいたものであるが、大学院生になって以来、というかここ数年は特にからっきしダメである。
(恥ずかしくて同業者には言えないが)そもそも専門分野の本さえ買わない、読まない。元々図書館の本を借りて読むのが嫌い(時々他人のキタネー手垢が付いているから)であって、イギリスは本が異様に高価なので買う気がしない。
日本で院生をやっていたときなど、僕の本や論文のコピー技術は相当なものであったと自負しているが(ジャーナルや出版社によって縮小率を覚え、その他の小細工を使ってピッタリ、黒いスペースを残さずやるのである)、それも全く衰えてしまった。というか面倒臭い。
もちろん、ウェブで論文を読んだりはするのだが、それさえ「最初から最後まで読む」なんちゅうことは殆どしなくなってしまった。殆どは「要約」と初めの数ページ、最後の1ページを読むくらいで分かった気になってしまう。
こうなると、もう退化しているとしか思えない。大体、嫁の研究(嫁に「関する」研究ではない)の関係で置いてある人類学や思想の本とかも、難しすぎて手が出ないのである。20代前半までだったら、入門レベルの本なら読めたハズなんだが、今はダメである。
ブログなんかもそうで、大学関係者の面白そうなやつを見つけると読もうとしたりするんだが、漢字が多いのに出くわすと「もっと簡単に書けよ!」と思ってしまう。しかし、簡単に書けというのは負け犬の遠吠えであって、要するに難しくて理解できないだけである。特に友人つながりでたどり着くことの多い人類学とか、文学の関係者が書いたブログは難しい。一般向けに書かれていても、つらい。
うーん、このままこの業界に居続けて良いのだろうか・・・。