先週末、先々週末とロイヤルオペラにドニゼッティ「ドン・パスクワーレ」、次いでプッチーニトゥーランドット」を観に行く。両方とも3万円近くする一番良い席が、学生の直前(と言っても数日前)売り出しチケットで2000円ほどになったんである。ありがたや。

それにしても、学生チケットを買ったと思しき連中には日本人以外のアジア人が多いのに驚き。要するに「日本人学生」は実に少ない。普段、ロイヤルオペラで見かけるアジア系観客は7割以上日本人、残りほとんどが韓国人(と思しき人々)なんだけど。

嫁曰く、日本以外のアジアの国々のほうが「学生による西洋文化体験」としてオペラが認知されてるんじゃないかと。まあ、確かに普段見かける日本人はロンドンで働くサラリーマンか主婦(らしき人)なので、日本人にとってオペラは「学生の文化体験」ではないのかもしれない。2000円で観られるんだから経済力はあんまり関係ないだろうし。

それにしても、5月以降、ずいぶんオペラを観たなあ・・・。
5月:ワーグナー「神々の黄昏」、アルファーノ「シラノ・ド・ベルジュラック
6月:バルトーク青髭公の城」&シェーンベルク「期待」(2本立て)、モーツァルトフィガロの結婚
7月:プッチーニ「トスカ」、「ドン・パスクワーレ」、「トゥーランドット

これ、書き出してみるに、ロンドン在住ではないことを考えると狂気だな・・・。5月より前には、昨年9月にプッチーニ「西部の娘」、12月にロッシーニセビリャの理髪師」、今年4月にモーツァルト「イル・レ・パストーレ」だから、今シーズンのオペラ鑑賞は5月以降に集中してしまったわけである。そのうち嫁同伴は半数。よくがんばりました。

ただいま午前3時15分過ぎ、共同研究室にいるんですが、周囲が急に騒がしくなってきました。どうも午前3時に閉まるクラブが近くにあるみたいです(僕のカレッジは街の真ん中にあるんです)。前は2時がピークだったのに、今年から規制がゆるくなったのかも・・・。
つい数年前まではパブは11時、バーやクラブも12時に閉まる国だったんですが。

引越ししたのはいいんだけど、前の部屋の掃除で2日間使ってしまった感じ。大学寮とはいえ「そのまま次の入居者に引渡し」というのはつらいよ。もしプロの掃除が必要なら掃除料金を敷金から差し引くとか言われるし。いくらって言わないし。大して高くなければ絶対にハナから業者に頼むよ・・・。
新しい部屋からカレッジまでは近いので、ただいま夜11時過ぎに共同研究室に来てからネットをしております(契約の問題で自宅でブロードバンドを使えるのは7月中旬になりそう)。去年から僕の机とパソコンがあったのだけど、距離的に中途半端で、学部にも机とパソコンがあるので、この机はほとんど使っていなかったんであります。一昨年までは個人研究室があったのに、去年から大部屋。しかも料金払ってるし・・・。でもこれからこちらで作業をすることが多くなりそうです。

ワールドカップ。4年前はカレッジの中に住んでいたのと、カレッジ全体がなんとなく盛り上がっていたので、僕としても意識(?)しながらこの期間を過ごしていたのだけど、今回はカレッジに住んでいない上、どうもコミュニティーとしての盛り上がりに欠け、僕も盛り上がらず。まあ、僕はもともと野球派なんですが。
先々週の金曜日、イングランドの初戦も、カレッジのコモンルームのテレビで見ているのはイギリス人以外の学生と、イギリス人の職員だった。
よく言われることなんだけど、イギリスではサッカーは基本的にワーキング・クラス(労働者階級)のスポーツであるらしい。とにかくわいわい盛り上がりたい学部生、ワーキング・クラス出身の人々、それからラテン系の人々が多いカレッジでは相当盛り上がるんだけど、アングロサクソンが多く、ミドルクラス出身の院生で占められている僕のカレッジでは、どうもクリケットの国際試合のほうが盛り上がるみたいである。
この期間、車にイングランドの国旗のステッカーを張っていたり、イングランドのレプリカ・ユニフォームを着ているイギリス人がいたら、まずワーキングクラス出身と見て間違いないし、もし育ちの良さそうなイギリス人がそういうことをやると、逆にちょっとした「いやらしさ」を感じてしまうこともあったりするんである。
ヨーロッパの中でも、たとえばイギリスとか、フランスではそれ以上に「サッカー=労働者階級のもの」という図式があるみたいなのだけど、そのほかの国々では必ずしもそれは成立しないようである。