ロイヤルオペラハウスでパッパーノ指揮ワーグナー『神々の黄昏』。先シーズンから続く『指環』サイクルの第4部の、しかも最終日。あとは来年の秋に4作そろって上演するらしい。僕は『ラインの黄金』と『ヴァルキューレ』(2回)は観たんだけど、第3部の『ジークフリート』はアメリカにいた関係で逃したんだよね。
まあ、新聞で酷評されていた通りの意味不明な演出に、ジークフリート役John Treleaven(ジョン・トレリーヴェン?) の声と演技が主な出演者の中で最も弱いという体たらく。(つか、今ジークフリートをちゃんとステージで歌える人は世の中にいない、という気もするんだけど。)これでオペラに感動する、というのは完全に「あり得ない」。
しかし、それは初めから分かっていたことで、僕としてはパッパーノの解釈に注目してたんですが、これが期待はずれ。もう少し全体の「骨格」を解釈の面でもっとハッキリして欲しいものだよ。去年7月の『ヴァルキューレ』の時は文句なしに素晴らしかったんだがなあ。
まあ、『黄昏』はそもそも4部作の最終作品として作られているから、それだけとして演奏するのは難しいんだろうけどね。んで、解釈のイマイチさに合わせるようにオーケストラの演奏も、気迫が感じられない。まあ、物語としては『ヴァルキューレ』の方が格段に良くできているから、単独上演で比べるのはフェアじゃないかも知らん。
と言うわけで、そう演奏時間約4時間50分、2回の休憩を入れて計6時間以上長丁場だったんですが、あまり充実感無く帰ってきたのであります。嫁はパスして正解。そういえば、ステージに近いバルコニー席で指揮がよく見えた(そのかわりステージの一部は身を乗り出さないと見えなかった)んだけど、パッパーノの動きはコンサートホールで見るより遙かにカッコ良かった。これは収穫?