非常勤で勤めているカレッジで、卒業試験が終わった「哲学・政治学・経済学」コースの学生と担当教員との食事会。この学年は経済学の学生の試験対策でちょこっと教えただけなのだけど、一応招かれたのでスーツを着て出かける。まあ日本で言う「謝恩会」みたいなものかな。普通にカレッジの部屋でやるんだけど。
一通りコースの食事が終わると、哲学の教授が「では、これから伝統のゲームを行います」と言っておもむろにいくつかのファイルを取り出す。これは食事会に来ていた学生個人個人の入試から卒業までの記録が入ったファイルなんである。
んで、そこから個人名は一応伏せて、高校の先生からの推薦状と、入試志望動機書をまさに「朗読」。これには大笑い。推薦状の方はベタボメしてあるだけなので大して面白くないけど、志望動機はあらゆること(ボランティア活動とか、バイトとか)が誇張して書いてあったり、18歳の子が「哲学・政治学・経済学」に対する思いを熱く語っていて、めちゃくちゃおかしい。大体推薦状を読んでいる段階で誰かは特定できるんだけど、その後は本人もう赤面するしかなし、といった感じ。
この大学の入試プロセスでは面接がとても大切なので、志望動機書は面接の内容を左右するだけに、志望者はみんな気合を入れて書くわけですよ。ある子なんかは政治学と経済学を学ぶことがいか社会政策にとって大切かを力説していて、それを教授がわざと首相の国会答弁風に読み上げる。そうすると、みんなで "hear hear hear!" (イギリスの国会での肯定的なヤジ文句)とか言って、面白いったらありゃしない。
そんなこんなで、7時頃から始まった食事会は、夜中の12時あたりまでまったり進行。この大学には変な行事が色々あって、でも合計6年もいるとあんまり「おーっ」って思うことも無くなるんだけど、今回は久々に新鮮でござんした。この大学にもそう長くはいられないと思うけど、一応教員としてこういうことに参加できるのって貴重な体験なんだろうなあ、と思ったり。