ここのところの担当授業は全部じゃないけど試験対策の復習が多いので、「ここは出る!」「回答はこう書け」「計算を間違えた時のごまかし方は・・・」など、まるで日本の塾講師のようなことをやっている。この大学、きめ細かい教育をやっている割には、成績は「試験一発勝負」なので(学部の成績も卒業も最後の試験だけで決まる。「単位」という考え方が無い)、6月半ばの試験シーズンに向け、そろそろ青い顔をしたり目に隈を作った学生が増えたり、女の子のニキビが目立ったり、カレッジ内のゴミ箱にレッドブルタウリン入りドリンク剤)が散見されたりする季節である。
んでもって、学会出張でいない同僚RRの代わりにやったクラスで、イギリスで初めて日本人相手に授業をした。10人ほどのクラスに、日本人の男子学生が一人混じっていたのである。非常勤の勤め先のカレッジに日本人がいるのは知っていたけど、会ったことがなかったので「どんなもんかのお」と実は結構緊張していたんである。
しかし、顔は日本人であるものの、服装(ネックレスしてるし)とかで「ああ、日本人とはいえ違う文化圏だな」と思うと、普通にやれた。不思議なもんである。これで、妙に日本的というか、東京的な風貌だと、一気に動揺しただろうね。
授業の後に聞けば去年まで日本に暮らしていたものの、ずっと関西のインターナショナルスクールに通っていたんだと。7歳まではイギリスに住んでいたというから、まあ親の海外駐在などでよくあるケースなのかな。それにしても、この大学の学部入学プロセスはなかなか複雑なので(大学院の方が遙かに楽だと思う)、かなり珍しいケースだと思う。日本人の学部生はいることにはいるけど、僕が知っている全てがイギリスの高校出身だし。ボスの先生から優秀な奴だ、というのは聞いていたんだけど、日本語の敬語も普通に使えるみたいだし(わはは、僕は心が狭いので敬語が使えない日本人に親近感は持てないのよ)、数少ない日本人学部生として是非がむばって欲しいものだと思う。