しかし、なんとも素晴らしかったのが、ピノキオ。年末の家族向けのショーとはいえ、ロイヤルオペラハウスの小劇場実験チームがお金と手間をかけて作った本格派。衣装もセットも洗練されていて、なにせコレオとダンスが秀逸!イギリス各地のオペラハウスや、ダンスカンパニーの現役ダンサーが中心なので、要するに「本物」なのよ。音楽もクラリネットと、ウッドベース、バイオリン中心のほぼ生演奏だし。

台詞も歌もあるから、ある意味「ミュージカル」なんだけど、歌より身体でメッセージを伝えることに重きを置いた作り。かといって「バレエ」でもないし、どう分類して良いのかは不明。振り付けは子供向けミュージカルにありがちな、ありきたりの動きは皆無で、どのダンスもよく練られいて(しかもバレエ的身体能力を要求され)、洗練されていて、でも分かりやすい。

ともかく、ストーリーが子供向けであろうが、才能ある人々が集まって真剣に作れば、子供も大人も全く問題なく楽しめる、ってことだね。しかし、贅沢なショーだよ。これを客席400程度の劇場でやって、一番良い席が3000円というのもイイ!

観客は「家族連れ」と「大人だけ」と半々だったかな。まー、子供がいたら、こういうレベルの高いショーを見せたいものだよ。