zappa さんのところの「おかあさんといっしょ」のエントリーで思ったんだが、どうなんだろうね。考えてみりゃこの番組名からしてスゴイ。
まー昔からある話で、ぢやぁ「男手一つで」とか、その他の家族のあり方を否定してんのかヲラ!ということなんですが。価値観や家族のあり方はいろいろあるわけで、戦後たまたま出てきたような家族の形式を押しつけるのは如何なものか、という訳ですが。
・・・の一方でさ、「もし可能であれば」の話、肉親であるところの健康な両親がいて、仲が良くて、どちらかないしは両方とできるだけ多くの時間が過ごせて、祖父母とも緊密で、というカタチが「ベスト」である、という価値観は(それがどんなに歴史的、社会的には相対化されなくてはならないとしても)、むしろ支持されて然るべきものではないかと思う。「理想型」として積極的にプロモートされても良いものなんじゃないかと思う(それが子供向け番組においてなされるべきか、というのは難しい問いだけれども、かといって高校になって教えられることでもないだろう)。
しかしだ、そこにはzappa さんや他の多くの識者が指摘するところの陥穽があって、「理想型から外れるのは『悪い』、『劣っている』」という価値判断がしばしば付いてきてしまう訳だ。「じゃあ、養父母に育てられるのはいかんのか」とか「男手一つじゃいかんのか」とかそういう話。特に子供の立場からは選択の余地が無いわけで、本質的に「良い悪い」のハナシではない(無論、親の立場からしても選択肢が限られている場合が多い)。
その辺に、古くさいことを言うおじさんおばさんと、多様な価値観(わはは)を認める人々とのかみ合わないギャップがあるんだろうな。
要するに、経済的、状況的に可能である限り、「理想型」に近づける努力は社会として評価、推奨するべきであり、しかしながら、その努力の「結果」に対する評価はいかなる場合においても外部がするべきではない、というのが僕の見解である。まあそういうことが難しいから、問題になるんだけど。
もっとも、zappaさんのところで引用されていた話は(あらすじだけ読む限りでは)ひどすぎますが。