というわけで、「ミカド」を見に行った。週末と言うこともあるんだろうけど、予想に反して満席。感想としては「あー、うまく作ってるじゃないの」と言ったところ。事前に写真を見て、どういう意図を持った演出なんだろう?と疑問に思っていたんだけど、要するにマルクス兄弟などの舞台とか映画のノリをこのオペレッタの音楽に載せる、という発想なのね。これは、賢い。
初めは気づかなかったんだけど、「我輩はカモである Duck Soup」に出てくるギャグをそのまま使っている箇所があって(もちろんオリジナルの「ミカド」には無い)、それで「あー、そういうことか」と分かった(ただ、舞台の雰囲気は「けだもの商会」あたりが近い)。でも、プログラムを見たら、そのことがちゃんと書いてあったよ。何よりグルーチョ・マルクスは1960年制作の「ミカド」のTV版に死刑執行人役で出ていたとな。
それにしも、ちゃんとしたオーケストラと歌手で「トコトンヤレ、トンヤレナ〜♪」を聞くのはやっぱりシュール。しかし、イングリッシュ・ナショナルオペラの後部座席は座りにくい!腰が痛くなっちまった。隣の熟年夫婦も背の高い旦那が足の置き場に苦労していて、あきれた奥さんが僕に「リッチになって前の席に座れ、ってことね」と言っていた。「ま、そういうことですね」と言い返した。